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【公開勉強会】アフリカ・アジアの宗教性と現代社会空間 梅屋潔(神戸大学)山下博司(東北大学)

勉強会プログラム↓

アジア・アフリカ比較共同研究「現代社会の生活空間における宗教性(ReSM)」では、従来の「宗教」というくくりでは捕らえきれないモラル、精神性あるいはライフスタイルとしての宗教性が、現代社会において新たな形で個人、集団の生き方を形成しているという認識に基づき、これを「空間」という軸からとらえ、理解する試みをしていきます。本研究は2020年度より萌芽的研究助成を得て、京都精華大学 アフリカ・アジア現代文化研究センターの基幹研究のプログラムとして実施されています。

 今回はアフリカの呪術や宗教と社会がご専門の梅屋先生(神戸大学)、アジア研究で数々の著書を出版なさっている山下先生(東北大学)の二人にお話しいただきます。アットホームな勉強会ですが、どなたでもZOOM視聴できるように開催しますので、お時間がありましたらぜひ参加ください(要登録)。なお、今回の勉強会は日本語のみで行います。

日時:2022年10月13日(木) 9:00-10:30

講師:梅屋潔(神戸大学)「蜘蛛の巣モデル―宗教的説明の開放性と閉鎖性―」
山下博司(東北大学)「移民集団と民族宗教の変質―マレーシアの事例から―」

オンライン開催 参加 URL:
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZYqdumvqDMpHNbb19KgHhRddEh2THW80v8j

■講師プロフィール■
梅屋潔
神戸大学大学院国際文化学研究科教授
専門は、アフリカや日本の民俗宗教。マケレレ大学社会科学部客員研究員、ウガンダ国基礎的社会調査研究所研究フェロー及び国際協力事業団専門家(1999年)などを務め、2016年から神戸大学大学院国際文化学研究科教授。2019年からケープタウン大学人文学部客員教授。代表的な著書に『福音を説くウィッチ―ウガンダ・パドラにおける「災因論」の民族誌』風響社2018年、『The Gospel Sounds Like the Witch’s Spell: Dealing With Misfortune Among the Jopadhola of Eastern Uganda』Bamenda: LangaaRPCIG2022年など。その他多数共著を出版。

山下博司
東北大学大学院国際文化研究科名誉教授。
東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。マドラス大学ラーダークリシュナン哲学高等研究所博士課程修了。専攻はインド文化史・思想史、移民研究、インド映画研究、南アジア地域研究。南アジア以外に、東南アジア、中東、北米、ヨーロッパ等で宗教調査や移民研究に従事。名古屋大学大学院国際開発研究科助教授などを経て、現在東北大学大学院国際文化研究科名誉教授。国際ドラヴィダ言語学研究所、国立シンガポール大学社会学科、タイ国立芸術学院で客員研究員を務めた。代表的な著書に『インド人の「力」』講談社2016年、『古代インドの思想: 自然・文明・宗教』筑摩書房2014年、『ヨーガの思想』講談社2009年、『アジアのハリウッドーグローバリゼーションとインド映画』2010年、『ヒンドゥー教インドという謎』講談社2004年等。
ReSMプログラム・ブログ (更新情報や過去イベント履歴など)

ご質問・お問い合わせ:阿毛
kaeamo@kyoto-seika.ac.jp

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勉強会メンバー Membres du projet

氏名所属専門分野・専門地域役割
阿毛香
Kae Amo
京都精華大学・特任講師文化人類学・セネガル全体コーディネート
ウスビ・サOussouby Sacko京都精華大学・教授建築学・マリ、日本アドバイザー
清水貴
Takao Shimizu
京都精華大学・准教授文化人類学・ブルキナファソ研究担当者
申 昌
Sin Chang-Ho 
京都精華大学・教授宗教社会学、大衆文化論・韓国研究担当者
樫尾 直
Naoki Kashio
慶應義塾大学・准教授社会学・日本、コートジボワール研究担当者
野中 
Yo Nonaka
慶應義塾大学・准教授地域研究・インドネシア研究担当者
ファビアン・サンソン
Fabienne Samson
 
IRD、IMAF・専任研究員文化人類学・セネガル、アルジェリア研究担当者
アブドゥラフマン・セック
Abdourahmane seck
 
サンルイ大学・助教授文化人類学・セネガル、モロッコ研究担当者
フレデリック・ルボー
Fréderique Louveau 
 
サンルイ大学・助教授文化人類学・セネガル、ベナン、コートジボワール研究担当者
バーバ・クリバリー Baba Coulibalyマリ国立人文科学研究所地理学・マリ研究協力者  

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研究テーマ・目標

宗教性x現代空間x人間というテーマ設定による多分野横断型研究

従来、「宗教」と「空間」とは双方主に異なる研究分野について取り扱われており、前者は宗教学や文化人類学の分野から、後者は都市工学建築学、空間社会学などからアプローチされてきた。本研究は、従来まで文化人類学、宗教学などの専門分野とされてきた宗教、宗教性やスピリチュアルなどのテーマについて、都市や空間との関係から再定義するものであり、上記で揚げた異なる研究分野を横断する学際的な研究を可能にする。

現代社会の精神性や宗教性というテーマについて都市空間や生活空間などとの関わりから新たな位置づけと評価を行うことによって、実践的な面でも、今後の都市計画や街づくり、建築様式について検討する際にも重要な要素を提供することができると考える。

特に京都は寺や神社などの宗教施設のみならず道祖神やスピリチュアルスポットなどが多数存在しており、現代の生活空間における宗教性を多分野的、多面的な視点から研究するために理想的なフィールドであるといえる。また、近年イスラーム教徒や海外からの移住者も増加しており、日常生活、日常空間において礼拝やその他の宗教実践を行うことを常とする外国人居住者のインテグレーションを考える上で、「空間」という分析軸に焦点をあてる本研究のアプローチは大きな意義がある。

研究テーマ

各研究担当者がそれぞれの研究分野事例研究についてテーマを設定し研究を進めると同時に、以下の共通テーマについて合同で意見交換を行い、明らかにする。

  • 対象地域の公共空間(路上、広場、公園など)における宗教実践や宗教運動について、空間と現代社会との関わりから明らかにする。
  • 寺、モスクや教会などの宗教施設、宗教建築物の現代社会における役割や利用する人々に関する研究。観光資源、文化資源としての宗教性という側面から分析を進める。
  • 個人の日常的な宗教実践やスピリチュアリティの実践などを通じた身体表現や実践とそれが行われる空間(公共空間、ドメスティックな空間を含む)での表象について
  • それぞれの社会におけるマイノリティーによる「異文化」としての宗教実践とそれが行われる空間、現地の文化との関連についての分析(日本におけるムスリムコミュニティー、アフリカにおける真光や天理教についてなど)。
  • その他、宗教性と空間について明らかにする理論構築や分析方法、アジア・アフリカからの新たな視点に関する理論的なアプローチ。